
海外でのエッセンシャルオイル
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海外では医学的に認められている
エッセンシャルオイルは、精油の芳香成分を利用し、体の不調や精神面(イライラ・落ち込み・ストレス)などにはたらきかけてくれます。その症状改善だけでなく免疫力を高め、精神バランスを取り、エネルギーを活発にする働きもあります。
こうしたエッセンシャルオイルの作用を取り入れて、ヨーロッパやアメリカなどでは医療のひとつとして行っているところもあります。
植物のエキスが高濃度に濃縮されているエッセンシャルオイルは、通常、肌に使用する場合はそのままでは刺激が強いので、キャリアオイルと呼ばれる植物油や精製水、グリセリン、無水エタノールなどで希釈して使います。
一部の極めて高濃度で上質なオイルは種類に応じて希釈せずに直接肌につけたり、飲用できるものもあります。日本ではこれらのことは、禁じられていることが多いでしょう。

実は様々な場面で用いられている
産婦人科では、妊婦の不安やストレス、陣痛といった痛みの緩和にアロマセラピーを活用する医療機関が増えています。痛みとは、傷ついた患部からの信号です。脳が痛みを感じる物質や痛みを増す物質を産生するため、痛みの元は脳にあるわけです。そのため、終末期のがん患者へのケアとしても、アロマセラピーは有効と言われています。手足をオイルでマッサージすれば、香りとスキンシップの相乗効果で、薬だけでは解決できない全身の苦痛や不安・不眠に対処することができます。
認知症の予防も注目される分野であるでしょう。介護老人保健施設で、認知症患者に芳香療法を行ったところ、物忘れなどの認知機能障害が和らいだり、表情や行動に活気が見られるようになったとの実例もあるといいます。特に、柑橘系の香りは、脳の前頭葉を刺激し、交感神経を活性化させる効果があるため、うつ病の治療などにも応用可能であると期待されています。

脳に作用する芳香療法
近年研究が進んでいるのが、芳香療法としてのアロマセラピーです。匂いの刺激は、鼻腔の奥にある嗅覚器へ伝わり、匂いを識別する嗅細胞、そして脳へと伝わります。脳の深いところに直接伝わることで、自律神経や内分泌系、感情、行動に働きかけることが明らかになってきました。
脳に直接作用する匂いの働きが医学的に解明されるにつれ、西洋医学では手が届かなかった“治りにくく予防しにくい疾患”の画期的な治療方法として、医療現場でもアロマセラピーの導入が進みつつあるといいます。日本では1997年に医師や看護師、薬剤師らで組織する日本アロマセラピー学会が設立され、以後一気に研究が加速しています。
アロマセラピーへの誤解
日本でアロマセラピーといえば、美容や癒しを目的とした女性の趣味というイメージが強いかもしれません。しかし、近年これを医療現場で活用しようという動きが広がっています。背景には、基礎・臨床研究を通じて、香り成分(精油の芳香物質)の効果を科学的に実証できるようになってきからです。
そもそもアロマセラピーとは、植物由来の精油を使用することで自然治癒力を高め、心身の疾病予防や治療を行う療法を指す。意外にも、医療行為としての歴史は古く、1920年代にフランスの科学者が火傷の治療にラベンダー精油を使用したことにはじまり、その後、1960年頃から欧州各国に波及していったと言われています。
フランス系、英国系のアロマセラピー
アロマセラピーは大きく分けて、医療的な見地から発達したフランス系の「メディカル・アロマセラピー」と、美容的側面の強い英国系の「エステティック・アロマセラピー」があります。
「フランスやベルギーでは、アロマセラピーは長らく医療行為として認められてきました。そのため、精油は医薬品として扱われ、薬局でしか販売することができません。対して、エステティックサロンなどの美容分野から広まった日本では、精油は雑貨扱いになってしまっています。こういった部分でも海外と日本でのアロマセラピーに対して大きい認識の違いがでる要因となっていそうです。日本では一般的に、アロマセラピーはまだまだリラクゼーションの1つと認識されていて、安価な合成品も高価な100%天然物も、同じ精油として一括りに売られている状態なのも納得です。

地域医療の注目分野として
近年徐々に芳香治療のエビデンスが揃い始め、日本でもメディカル・アロマセラピーへの期待が高まっているが、欧米に比べて医療への活用はいまだ遅れを取っていると言われています。
その理由の一つとして高濃度の芳香・薬効成分を含むにも関わらず、精油に関する品質基準や法的規制がないことがあげられます。
海外の精油には、欧州のエコサート※(ECOCERT)をはじめ、第三者の認定機関が定めた厳しい品質基準が設定されています。具体的には、化学合成成分の配合や残留農薬・放射線物質の有無などが問われます。基準をクリアした場合、パッケージにロゴマークが記載されるため、消費者は難しい成分表を見なくても、安全性や品質を一目で判断することができます。
日本でも日本アロマセラピー学会が、精油の医療知識やトリートメントに関する独自の認定制度をスタートしています。この制度を活用し、在宅ケアや地域包括ケアに取り組む調剤薬局も登場しています。
薬の専門家である薬剤師が新たにアロマセラピーの知識を習得すれば、薬と合わせた複合的な治療を提案することができるようになるでしょう。
海外の方法も紹介
希釈せずに直接患部に付けたり、飲用したり、料理に活用したりする海外での使い方も紹介していきたいと思っています。
エッセンシャルオイルを救急セットと同じように家庭に備えて、いろいろな場面に役に立てましょう。エッセンシャルオイルには数十から数百もの芳香成分が含まれており、その効果効能もさまざまです。ひとつひとつの特徴や作用をよく理解した上で使用することが大切です。
また、大部分のエッセンシャルオイルは、どなたが使っても安全ですが、一部、妊娠中の方や肌が弱い方には不向きなものもあるので、新しいオイルを使用する前に、必ず注意事項を確認してください。




