
植物にとっての精油の役割
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植物は何故精油を生体内で生産するのか
私達に様々な恵みを与えてくれるエッセンシャルオイル(精油)ですが、植物はそもそも何故精油を生体内に生産するのでしょうか?実のところ、植物にとってエッセンシャルオイルがどういう役割を果たしているかについては、現在でもまだまだ未解明の部分がたくさんあります。はっきりしたことは判っておらず、学者の間でも意見の分かれるところです。中には、植物にとってエッセンシャルオイル(精油)は単なる老廃物で、何の目的も役割も持っていないという人もいるようですが、実際に植物内でエッセンシャルオイル(精油)がどのように働いているかをみてみると、あまり説得力のある説とはいえません。
植物は、生存競争を勝ち抜いていくための非常に重要な道具として、エッセンシャルオイル(精油)を体内に生産し、その香り成分の持つ作用を様々な形で利用しているようです。動物と植物の大きな違いの一つは、動くことができるかできないかという点です。動物は天敵に襲われたときに、走って逃げたり、反撃して敵を倒したり、声で威嚇することができます。また、水浴びなどで身体を清潔に保って、やっかいな細菌の増殖を抑えることができます。誰かに何かを伝えたいとにきは、声を出したり、身振りでコミュニケーションをとることができます。こうしたことのできない植物は、代わりにエッセンシャルオイル(精油)の香りやその作用を以下の例のように巧みに利用しているようです。
鳥や昆虫を引き寄せて、繁殖に役立てる(誘引効果)
植物は、昆虫や鳥などに受粉を助けてもらったり、種子を遠くへ運んでもらったりすることが良く知られています。花や果実に含まれているエッセンシャルオイル(精油)の魅力的な香りは、こうした動物を引き寄せる役割を果たしています。
害虫、害獣を寄せ付けないようにする(忌避効果)
逆にエッセンシャルオイル(精油)の中には、害虫や鳥が嫌がる香りのものがあります。こうした動物を遠ざけ捕食されるのを防いでいると考えられています。シトロネラなど、一部のエッセンシャルオイル(精油)が虫除けに利用できるのは、この効果を持つためです。
アロマを使った虫除けを実践される方が近年増えてきています。こうした使い方は日本でアロマテラピーが本格的に普及し始めた1990年代末にはあまり知られていませんでしたが、有害性の心配される成分が含まれた市販の虫除け剤を使いたくないという方の間で認知が広まってきました。薬局で売っている虫除けスプレーなどには、ディートと呼ばれる薬品が含まれています。ディートは元々、第二次世界大戦直後、蚊に刺されることによるマラリア感染から兵士を守るためにアメリカ軍によって開発されたものです。その後、民生品にも使われるようになり、安価なため世界中で広く普及しましたが、近年その危険性が指摘されています。傷口や唇などに触れた場合体内に取り込まれる上、使いすぎたり、他の薬品と併用すると神経障害などを発症することがあると言われており、カナダなど一部の国では小さな子供への使用を厳しく制限するなどの動きがでてきています。
植物がエッセンシャルオイル(精油)を生体内に作る理由のひとつに、害虫を遠ざけることがあります。自分で体を動かして、害虫を追い払うことのできない植物は、虫に食べられるのを防ぐために、昆虫の嫌がる香り成分を含むエッセンシャルオイル(精油)を体内に作るようになったと考えられています。エッセンシャルオイル(精油)の中には、昆虫が嫌がる香り成分を含むものがあり、こうした香りを身に纏うことで、蚊などの虫を遠ざけることができます。虫が嫌がる香り成分として、最も効果が高いと考えられているのは「シトロネラール」という成分です。虫除けのできるアロマとして最も有名なエッセンシャルオイル(精油)は、シトロネラですが、この他、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)にもこの成分は沢山含まれています。
有害な菌やカビなどから身を守る
エッセンシャルオイル(精油)の中には菌やウイルス、カビなどを殺したり、増殖を抑えたりする働きをもつものが数多くありますが、これは植物自身が有害な菌やカビに侵されるのを防いでいると考えられています。
生存競争の相手を妨害する
生存競争の相手である他の植物の生育を阻害する働きのある成分を含むエッセンシャルオイル(精油)もあります。マツ葉に含まれるエッセンシャルオイル(精油)(パイン)には、この成分が含まれており、地面に落ちて、他の植物の成長を妨げていると考えられています。マツ林には、あまり下草が生えず、見通しの良い風景が続いていることが多いですが、これはマツ葉の精油の働きが関係しています。
ホルモンのような働き
まだ未解明な部分ですが、人間のホルモンのように、植物の体内で生理活性物質として働いているエッセンシャルオイル(精油)もあると考えられています。
暑さから身を守る
エッセンシャルオイル(精油)を蒸発させることで、冷却効果を得て、暑さから身を守る働きもあるようです。
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